こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。
今回は口腔癌についてお話します。
口腔癌は口の中にできる悪性腫瘍です。
舌癌が口腔癌の中で最も多く〔特に舌の側縁部に出来やすい〕、口腔癌の約60パーセントを占めます。
次いで歯肉癌が多く、とくに下顎の奥歯付近に出来やすいです。
原因は痛みのあるあわない義歯の長期使用や、虫歯により歯が欠けてしまい粘膜を長期間傷つけてしまうことが要因として挙げられます。
そこに喫煙、飲酒、口腔衛生状態の悪化などが複合的に重なると発生するといわれております。
初期症状は痛みなどの症状がないため口内炎とまちがえて放置してしまうケースが多いです。
口内炎は通常2週間ほどで治癒しますが、2~3週間たってもしこりがとれず治らない場合は病院の受診をお勧めします。
進行すると出血や痛み、痺れなどの症状がでることもあります。
前癌病変として、しこりもできず粘膜の表面が平滑に鮮紅色に赤くなる紅板症やこすっても剥離しない白色の角化性病変の白板症などがありますが気づかないで放置されている方もいらっしゃり虫歯や検診で歯科医院に来院された際、偶然発見されたかたも何人かいらっしゃいました。
特に紅板症は発見しにくいうえに約半数が悪性化する可能性があるため注意が必要です。
検査は問診、視診、触診、病理検査、画像診断を行います。
治療は外科療法。つまり病巣の切除を行い、それに併用して放射線療法、抗がん剤を用いた化学療法を行うケースが多いです。
口腔癌の約8割は喫煙や飲酒が関与されているといわれていますので心当たりのある方は量を減らすことをお勧めします。
義歯があたって痛くても放置して無理して使用してしまったり、虫歯により歯が欠けてしまい尖った縁が慢性的に粘膜にあたる方ははやめに治療されたほうがいいです。
刺激の強い食べ物を控え、バランスのよい食事をとり口腔衛生状態を改善することも口腔癌の予防に大切です。