こんにちは。ニコデンタルクリニック院長の西野です。
今回は幼若永久歯についてお話しします。
生えたばかりの大人の歯のことを幼若永久歯と言います。
この幼若永久歯は、生えてから2~3年は完成されておらず虫歯になったりぶつけて折れたりすると、治療法も通常の永久歯とは違うところが出てきます。
〔幼若永久歯の特徴〕
・強度が低く、虫歯に対する抵抗力が弱い。
→外からフッ素を取り入れ、緻密な結晶構造を作ってあげることが大切です。
・形態的に虫歯になりやすい
→若永久歯の溝はまだとても深く、虫歯菌のすみかになりやすいため、溝を埋めるシーラントなどの予防処置が有効です。
・ 歯根が完成されていない。
→永久歯の根っこは生えてすぐは完成されておらず、3年くらいかかって完成します。
この幼若な状態の2~3年をなんとか虫歯にならないようにのりこえられるようにしたいものです。
逆にこの成熟過程の間に フッ素を積極的に利用すると、再石灰化が促進して歯が早く成熟します。 生えたての歯はよくフッ素を取り込みますので、将来虫歯になりにくい丈夫な歯を作ることができるのです。
万が一むし歯になってしまった場合にも、幼若永久歯の治療には、その成長力旺盛な力を活用する方法があります。
幼若永久歯のむし歯は進行が早いため、発見された時には細菌に感染した部分が深部にまで及んでおり、そのまま削っていけば神経が露出する場合がほとんどです。
その場合に応用される治療法で、むし歯になった部分をできるだけ取り除き、むし歯菌に侵されている部分を一層残し、神経を露出させないようにして薬剤で覆い、セメントでふたをし歯の形成を待ってから、数ヶ月後に再度処置を行うといった方法を用いることができます。
なにより、むし歯にならないことが一番ですので生えたての歯は特に大切に、一生使っていけるよう守っていきたいです。