歯の脱臼

こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。

今回は歯の脱臼についてお話します。

特に小さいお子さんに多くみられますが、転んでぶつけてしまったりして歯に外力が加わり、歯と骨の間にある歯根膜と呼ばれる組織が断裂することを脱臼といいます。

歯が骨から完全に離れて抜け落ちてしまう完全脱臼と、歯が揺れたり位置が移動してしまう亜脱臼〔不完全脱臼〕があります。

治療は消毒し両脇の歯と動かないように接着剤やワイヤーで固定します。

歯が抜け落ちてしまったり位置が移動してしまっている場合は、歯を正常な位置に戻してから固定します。

必要があればレントゲンを撮り、歯の破折や骨折の有無を確認します。

衝撃で歯の中の神経が死んでしまった場合は、神経を取り除く神経治療〔抜髄〕が必要となってきます。

一度完全に抜けてしまった場合、戻して骨と再度結合するように固定して経過をみますが、歯が上手く結合するかどうかは歯根膜の状態が非常に重要になってきます。

抜けた歯を乾燥状態で放置してしまうと歯根膜が死んでしまい結合しなくなる可能性が高くなってしまいます。

そこで、歯が抜け落ちてしまった場合はコンタクトの保存液か、牛乳の中にいれて歯科医院へお持ち下さい。浸透圧の関係や歯根膜を傷つける危険がありますので、汚れていても水道水でゴシゴシ洗ったりせずにできるだけ早めに歯科医院を受診してください。〔お口に含んでだ液に浸していても大丈夫です。〕

脱臼の好発年齢は、ヨチヨチ歩き出した頃1~2才の男児に多く、ぶつけて歯が抜けてしまうと親御さんもびっくりしてどうしたらいいかわからなくなってしまうと思います。そんな時にこのブログの知識が頭の片隅にあると少し役に立つことと思います。

 


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  カテゴリ:小児歯科