こんにちわ。ニコデンタルクリニック院長の西野です。
今回は舌小帯短縮症についてお話します。
舌小帯短縮症とは、舌の裏側についているヒダが生まれつき短かったり、舌の先端に近いところについていることにより、障害が起こることをいいます。
舌を前に突き出すと、ハート型になることからハート型舌と呼ばれることもあります。
舌小帯の短縮の程度は軽度・中等度・重度に分けられます。
軽度では、舌先を上あごにつけたり、口の横につけたりすることは自由にでき、ラ行が発音しにくいなどの発音障害が少し見られる程度で、日常生活での障害はほとんどみられません。
中程度では、舌を前に出したときに先がハート型にくびれ、舌先を上あごにつけようとしてもつけられず、口の横に舌の先をつけることができませんし、くちびるをゆっくりなめることも苦手です。
重度では、舌を前に出そうとしても下くちびるぎりぎりくらいまでしか出せず、舌を上にあげることができないので、発音しにくく食事もしにくいです。
軽度の場合は、発音や摂食・嚥下機能に問題があることは少ないので、あまり治療の対象とはならず、中等度や重度の場合は、乳児期に哺乳が上手にできない、幼児期に話すときに舌先が上がらないので、カ行サ行タ行ラ行がうまく言えない他、硬いものが上手に食べれないといった、哺乳障害・発音障害・摂食・嚥下障害が認められるようになります。
治療法は手術と機能訓練があり軽度の場合は機能訓練だけで症状が軽減するケースもあるのでラ行の練習や舌をたくさん動かすトレーニングをしますが、中程度・重度の場合は舌のヒダを切る舌小帯伸展術を検討します。
手術は局所麻酔で外来での処置と、局所麻酔では処置が難しい場合(低年齢で動いてしまう場合など)は全身麻酔で入院となります。
新生児では、麻酔もせず糸で縫わずただ切るだけという場合もありますが、ただ切るだけでは同じ位置に治癒してしまう事が多く、しっかり治すことを考えた場合は口腔外科で麻酔をして切って縫うといった舌小帯伸展術をお勧めします。
舌小帯短縮症のために反対咬合といった噛み合わせが逆になることもあり、小さいうちからの定期検診で早期発見できることが多いので何も気になるところがなくても予防の為、病気の早期発見のために定期的に歯科を受診すると良いと思います。
2013年11月30日 カテゴリ:未分類